岡山の税務・会計・申告なら税理士法人あさひ合同会計へ。
確定申告、相続、事業承継、法人設立、IT化をサポート。
2026.10.07
代表取締役社長 藤原 耕司
「東京23区の新築マンション、平均価格2億6,520万円」。今年7月、驚くような数字が報じられた。前年同月のほぼ2倍で、過去最高を記録した。東京でマンションを買うには、もはや2億円以上が当たり前なのだろうか。
しかし、その中身を見ると少し景色は変わる。今回の平均価格を大きく押し上げたのは、港区で350戸以上供給された5億円前後の超高額物件だった。新築マンションの平均価格は、同じ物件の値段を毎年比較しているわけではない。どこで、どのような物件が売り出されたかによっても大きく動く。
そもそも「東京23区」というくくり自体、一つの平均化である。東京都の人口約1,430万人のうち、23区に住む人は約1,000万人で約7割。その中でもマンション価格の高い千代田・中央・港の都心3区の人口は約53万人、23区人口の5%程度にすぎない。それでも都心に数億円のマンションが多く供給されれば、「23区の平均」への影響は大きい。
新築同様、価格の高騰が続く中古マンションの状況も調べてみた。同じ70㎡でも、港区の売出し平均価格は約1億8,700万円、足立区は約3,900万円と、実に5倍近い差がある。
地元、岡山市内のマンション価格も直近では上昇傾向にある。東京ほど極端ではないにせよ、「平均価格が上がった」という数字だけでは分からない。地域や築年数などによって、その意味合いも変わってくる。
平均やくくりは、複雑なものを整理し、全体を理解するために役立つ。ただ、それによって見えなくなるものもある。だからこそ、数字を見たときには一度、「その中身は?」と考える。
これは数字に限らない。「みんな」「普通は」「世間では」という表現も、いわば「言葉の平均化」と言える。「みんな」とは誰なのか。「普通」とは何を基準にしているのか。数字も言葉も、全体を見た後にその中身を確かめる。物事の本質をつかむために、その往復を忘れないようにしたい。
なお、マンション価格については、こうして確かめてみても価格が上昇していることに変わりはなく、自分自身に目を向ければ、買い時は逃したような気がする。
ちなみに“世間では”、東京オリンピックが不動産価格のピークという見立てが多かったような…。