スタッフブログ

2023.10.06

分限者

㈱あさひ合同会計 岸本

 先日、お客さんとお話していた際、聞きなれない言葉を耳にしました。ぶげんしゃ。漢字にすると「分限者」で、端的な意味は「お金持ち」という意味だそうです。

 方言かな?とも思いましたが、江戸時代から全国で用いられている一般的な言葉で、ご年配の方であれば自然に使われている方もいらっしゃるそうです。恥ずかしながら私は全く耳にしたことが無かったのですが、なぜかこの言葉に非常に魅力を感じました。

 調べてみると、決してプラスの意味で使われている印象ではなく、むしろ嫌味を込められたニュアンスすら感じます。そんな中「分を弁(わきま)えた一人前の人」という捉え方があり、好感を持ちます。

 お客さんとの会話の中で「お金に困るかどうかは、入ってくるもの以上に使うかどうかだけです。どれだけ入ってきてもそれ以上に使えば皆貧乏になります。また、使う癖はなかなか治らないため、長期目線ではバランスが崩れがちです」というお話をすることが度々あるのですが、そういった意味でしっくりきたのだと思います。

 分を弁えることは、諦めることではありません。自分自身を知ることを意味します。肩肘張って無理をせず、あらゆる変化の中でも自分を見失わない生き方は大事なように思います。分不相応とならないよう、自分の居場所を見極めながらバランスを取って過ごすことが、いずれ分限者へと繋がっていると私は信じています。