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2023.06.07

税理士になりたい

㈱あさひ合同会計 橘 

 私は、5年ほど前の夏に福山へ映画を見に行きました。どうしても公開初日に見たいと思い、岡山での上映時間では予定が合わなかったので、レイトショー上映のある福山までわざわざ行きました。その映画は人気若手俳優が多数出演するということで公開前から話題になっていましたが、話題の映画を見たいというのが私の目的でなく、親友が映画に出演すると聞いたからです。主役なわけもなく、セリフもあるか無いかわからない程度のわき役でしたが、俳優になると言った彼が、毎日テレビで見かけるような俳優さんたちと一緒に目の前の大きなスクリーンに映っており、私は言葉では言い表せない感覚を覚えました。その感覚は様々な要素を含んでおり、もちろん感動もありましたが、一番強かったのは、自分も夢を追いたいという感覚でした。映画の帰り道、私は以前から気になっていた税理士を目指そうと決めました。

 少し話は逸れますが、その親友と私は20年以上の付き合いになります。彼は育ちがよく、小学校の時から成績優秀で将来は公務員、銀行員、士業のようないわゆるお堅い職業に就くものだと、子供心に何となくそう思っていました。一方で私は、成績優秀というよりは、とにかく目立つのが好きで人前でよくしゃべり、将来は吉本に入ったほうが良いと親戚に言われたこともありました。伶太郎(りょうたろう)の伶という字は、本来神に向かって演劇や音楽などの出し物をする人を起源とし、俳優という職業を指す漢字だそうです。名付けた親にそのような意図があったかどうかはわかりませんが、幼少期の私は、どんな大人から見ても将来お堅い職業に就くような子供には見えなかったはずです。結局彼は俳優になり、私は銀行を辞めて税理士を目指しています。向き不向きはさておき、彼と私は人生がクロスするような形になったわけです。

 さて話は戻りますが、税理士になるには主に三つの方法があります。一つ目は毎年夏に開催される税理士試験を受験し、5科目(会計科目2つ、税法科目3つ)に合格すること、2つ目は税理士試験で会計科目2つ、税法科目1つに合格し、大学院で学位を取得後、税法論文を国税庁に提出し承認を受けること(会計科目の免除もあります)、3つ目は税務署で一定期間勤務し、指定研修を修了すること、です。結果的に私は2つ目の方法を選択しました。会計科目2つと税法科目1つに合格したので、今年の4月から大学院に通っています。夢を追う親友の影響で、単純に夢を追いたいという気持ちから試験勉強を始めました。その夢の実現が近づいてくると、それは単なるきっかけに過ぎず、資格取得がゴールではないことに気づきます。税理士はとても責任を伴う資格だと思います。今は自分がその資格を有するに値する知識や能力がなければ、と焦る思いです。大学院卒業までの2年間でしっかり勉強し、お客様に信頼し安心していただける専門知識を提供できる税理士になりたいと思います。