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2021.08.05

『空振り』 と 『素振り』

㈱あさひ合同会計 谷中

 西日本豪雨災害から、早いもので3年が経ってしまいました。私の実家がある岡山県井原市も、真備町ほどではないものの大きな被害を受けました。見慣れていた場所が変わってしまったのはショックであったと同時に、「人類が積み上げてきたものも、自然災害の前ではたった数日で崩れてしまうのか」といった無力感にも包まれました。

 あの日あの時、あのような豪雨災害が起きる前までは「岡山県は自然災害に強いので、わざわざ避難するような事態にはならない」といった慢心がありました。
このような慢心は、心理学用語で『正常性バイアス』と呼ばれるものだそうです。自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価してしまう人の特性であり、災害時において〈これまで大丈夫だったし、今後も大丈夫だろう〉といった考えは、まさしく正常性バイアスが働いている状況だそうです。
あの日以降、できることからちょっとずつ準備していこう、という気持ちに変化しました。非常用持ち出し袋の準備・避難場所の確認等、災害への備えはすればするほど不安になってくるものだなと感じています。

 先日、YouTube上で岡山県が運営している『晴れの国おかやまチャンネル』で、災害時の避難についての動画がアップされましたが、動画内にとても印象に残ったコメントがありましたので、以下にご紹介させていただきます。

“避難情報が出て避難をしても、結果的に何事も起こらなかったという事はよくありますが、普通このような状況を『空振り』と呼んだりします。
しかしながら、いざというときの本番でしっかり対応するためには『素振り』という名の練習が欠かせません。
念のため避難をすることは、いざというときのためのトレーニングになります。
『空振り』を恐れているとホームランは打てませんし、避難に空振りはありません。
素振りのつもりで早めの避難を。“

 大規模災害がいつどのような形で、我々にどれくらいの被害をもたらすかは、神様でもない限り誰にも分かりません。
わからないからこそ、日々の備えが大事であると感じます。