スタッフブログ

2021.06.14

愛車とともに

㈱あさひ合同会計 岡山

 私のさほど長くない人生史上、一番高額だった買い物はシルバーカラーのコンパクトカーだ。学生時代の仕送りや奨学金を切り盛りして残った貯金を取り崩し、8年前に中古で購入した。(もちろん、自分で稼いだお金でないことは承知しているわけで、そこのところは目をつぶっていただきたい…)
 あさひ合同会計の内定をもらってから運転免許を取得したこともあり、私の社会人生活はまさに愛車とともにあったと言っても過言ではないだろう。
 まだ出会って1年も経過していないころ、内輪差を見誤り後ろのドアからフェンダーにかけて大きく塀で擦ってしまったときには、自分で樹脂を盛ってスプレーを振ってみたりもした。今でも銀の涙をながす大きなかさぶたがついたままになっている。最近は洗車もなおざりになってきており、愛車と呼ぶには車の方から怒られてしまいそうだ。
 父の愛車は同じくシルバーカラーのドイツ製カブトムシ、ターボ仕様車だった。遊び心あふれるデザインや性能に父が一目惚れをしたようで、それまで日に何箱も吸っていた煙草を一切やめてわが家へ迎え入れた。当時は大阪へ単身赴任中だったが、週末ごとに返ってくる父を幾度となく安全に送り届けてくれた。
 そんな彼も今年の3月に乗り手である父が他界したことで、その任を解かれることとなった。息子に譲ることを検討していた時期もあったが、当の息子が強く反対をしたため破談、業者に引き取ってもらった。
 父の愛車は父だけのものであり、誰のものにもならず、父が向こうへ乗っていったと我が家では理解している。きっと今では体の痛みからも解放された父が愛車とともにどこかへ遊びに出かけているのだと思う。
 私の愛車は今年で車検が4回目の15歳。回数を重ねるごとに愛着と修繕費用も増してきている。ほとんど休日にしか乗っていないため走行距離はまだまだ伸ばせる。どこまでも着いてきてくれるように、たまには労いの洗車をしてあげようか。