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　 ㈱あさひ合同会計　橘

　お客様との会話の中でよく「これって経費になりますか？」というご質問をいただきます。私は、「直接又は間接的に売上げに結び付きますか？」と聞きます。そしてさらに「その費用は今年の売上げのみに結び付くものですか？来年以降の売上げの為の前払になっていませんか？」と付け加えます。会計帳簿の作成においては、今年だけの成果にはっきりと結びつく努力のみが今年の経費として認められるため、「それはちょっと厳しいですね。」とお答えすることも多々あります。

　ですが、現段階では今すぐ成果に結びつくかどうかわからない努力や行動が、後々大きな成果を生むことがあります。

 　「スラムドッグ＄ミリオネア」（2008）という映画では、無学の少年がクイズ番組に出場し、次々と難問をクリアしていくことで不正を疑われてしまいますが、その理由は恵まれない環境の中必死に生きてきた彼の生い立ちにおいて自然と身に付いた知識によるものでした。

　経営者の方は四六時中事業のことに思考を巡らしており、そのような会計帳簿に表現することができない努力が、大きな成果につながることは多いと思います。経費は結果として税金を減らす効果のあるものですから、どうしても上記のように今年の成果にはっきり結びつくものでなければ認められませんと言わざるを得ません。ですが、お客様に「これって経費になりますか？」と聞かれ、「経費として認められません。」とお答えする時は、いつも心の中で「これに関しては認められませんが、会計上経費にならないような努力が事業の成果に繋がっています。」と応援するようにしています。