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2018.10.01

うさぎとかめ

㈱あさひ合同会計 岡山

 小学校高学年のころの話である。特別授業の一環として、クラスの全員で二手に分かれて討論会を行ったことがある。

 お題は「ウサギとカメはどちらが悪いか」。幼い子供たちに油断をすることの恐ろしさや、コツコツと努力を積み重ねることの大切さを教えてくれる、あの寓話“ウサギとカメ”に登場する「ウサギ」と「カメ」である。どちらかが絶対的な悪として描かれている作品ではないため、正解があるわけではない。どちらかの立場を選択し、相手の悪さを理論づけて説明し、相手陣営を納得させることを最終目標とした試みだった。

 例えば、「カメ」陣営としては、「ウサギ」が行った真剣勝負の途中で寝るという行為は、スポーツマンシップに反する行為であり、悪い。明らかに能力差があるとわかっている相手に対し勝負を強要したあげく、顧みることなく走って行ってしまうこと自体が侮辱であり、悪い。当時の言葉を現代語訳すると、おおよそこのような意見が出ていたと記憶している。

 私は議論の面白さを重視して、劣勢に立たされていた「ウサギ」を擁護する側を選択した。
 恐らく彼の友人である「カメ」は、日頃から足が遅いことを周囲から馬鹿にされ落ち込んでおり、そんな友人を少しでも元気づけられないかと考えて、この勝負を持ち掛けたのである。方法としては確かに浅慮な部分があったかもしれないが、結果的に勝利を収めた彼の友人は元気になっており、彼に悪い部分はない。強いて言えば、彼の友人を日頃から馬鹿にしていた周囲の“カメが悪い”。級友たちにはあまり受け入れてもらえなかった。

 先生の趣旨とは違ったのかもしれないが、物語の背景を好き勝手に創造する討論会は、17年経った今でも、頭の片隅に残っているほどの刺激になった。現代文が苦手な学生時代を送るはずである。

 最近になって、当時の級友たちの結婚話を耳にする機会が増えてきた。どうやら私がスタート地点で寝ている間に、皆ゴールしてしまったらしい。次に結婚報告をされたときには、結婚はゴールでなくスタートなんだよ、という先人のありがたい言葉を贈ってあげたいと思う。

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