スタッフブログ

2015.03.01

春に向けて

㈱あさひ合同会計 小椋

 1月の終わりから2月の初めに数日の休みをとって北海道に行ってみた。

 鉄道ファンの息子がこの春高校を卒業する。撮り鉄であちこち行っては車輌を撮る。その都度、アシスタントのように一緒に乗ってきた。北海道の鉄道だけは見せたことがなかったので見せたかったのと、私自身も自称乗り鉄ということもあり、親子でそれぞれが微妙な楽しみの違いはありながらも、まあ一緒にこうやって動くのも、もしかしたら最後かもと思ってのことである。

 札幌、小樽、札幌に戻って釧路、札幌に戻って旭川、また札幌という本当に初心者らしい移動しかできなかったが、それなりに楽しめた。それぞれは結構な都市だったが、車窓からの景色は(全て雪で白いということを割り引いても)荒涼としたもので全くの未開拓のように思えた。もっと多くの人がこの土地をまんべんなく利用できたらいいのに、などと思う。釧路では湿原をSLに乗って眺めようと指定券をとっていたが、あいにく風雪がひどい荒天で運休となってしまった。確保した日数も少なかったので次の日にずらすこともできず残念だった。

 3月15日を境に国内の鉄道事情は毎年少し変わる。廃線になるところが出たり、一部の特急などの古いものは新幹線路線整備につれて臨時になったりと、新しいやり方に移り変わる。いままでそれほど愛顧していたわけでもないのに、急に残念に思ったりする。炭鉱や林業が盛んだった時代にはもっともっと線路が張り巡らされていたらしい。昭和30年代の北海道の地図をみると線路で埋め尽くされているのに、今は数少ない特急路線と、さらに少ないローカル線だけだ。

 今回は長い間人気だったトワイライトエクスプレスが終わる。千歳のホームで待ち構え、70分遅れてやってきたトワイライトエクスプレスを捉えることができた。

 息子は写真を思い出に残すだろう。私は車輌よりも、その瞬間を逃すまいと必死でカメラを構える息子の姿をきっといつまでも忘れない。 

 息子は鉄道機械系の専門学校ののちに鉄道業界に入る進路である。私は税務会計などの小難しいことに頭が働かなくなったら、いつの日かホームの掃除か弁当の立売りなど、駅に来る人たちが喜ぶようなことをしてみたいと密かに思っている。