ちょっと気になる経理処理

2025.08.12

防衛特別法人税

令和7年税制改正において、防衛力強化に係る財源確保のための税制措置の1つとして“防衛特別法人税”が創設されました。申告書に“防衛”の2文字が入るなんて隔世の感がいたします。始まるのは令和8年春からで納税は令和9年3月が最早ですが、概要は以下の通りです。(令和7年5月 国税庁サイト「防衛特別法人税が創設されました」から概要を引用)

Ⅰ.納税義務者
各事業年度の所得に対する法人税を課される法人

Ⅱ.課税事業年度
令和8年4月1日以後に開始する各事業年度

Ⅲ.基準法人税額
法人税の課税標準である各事業年度の所得の金額につき、法人税法により計算した法人税の額(所得税額の控除や外国税額の控除の適用前)

Ⅳ.課税標準
原則として各課税事業年度の基準法人税額から基礎控除額(年500万円)を控除した金額

Ⅴ.税額の計算
課税標準法人税額に4%の税率を乗じた金額

Ⅵ.確定申告
各課税事業年度終了の日の翌日から2月以内に所轄税務署長に提出します。
防衛特別法人税は通常の法人税の申告書に地方法人税の申告を兼ねていたように、申告書のタイトルが3段になって防衛特別法人税の申告も同時に行うようになりますが、別表一次葉一に防衛特別法人税の申告書様式が定められるため、申告漏れがないよう注意が必要です。
また、上記の課税標準の計算構造から、基本的に基準法人税額が500万円以下の場合は課税はありませんが、防衛特別法人税額が0円であっても申告は必要となります。

財務省では、この税金でだいたい年8,000億円~9,000億円の税収を見込んでいるそうです。
ちなみに原子力潜水艦1艦をアメリカから買うと円が弱いうちは1兆円を超えます。
1年分の防衛特別法人税だけでは買えませんね・・・。

ご不明な点等ございましたら、弊社担当者までお気軽にお問い合わせください。


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