ちょっと気になる経理処理

2024.12.06

年調減税

今年も年末調整の時期となりました。今回は、令和6年分の主な変更点である定額減税の内「年調減税」についてまとめたいと思います。例年より確認事項が増えて複雑になっておりますので、早めに準備を進めましょう。

 令和6年6月1日以降支給される給与及び賞与より、6/1時点の扶養状況に基づいて「月次減税」が行われてきましたが、「年調減税」では年末調整時点(12/31時点)の対象者及び扶養状況に基づき、定額減税額を再計算します。

1.年調減税の対象者について
年調減税の対象者=年末調整の対象者です。(年収2,000万円以下)
ただし、年末調整の対象となる人のうち、給与所得以外の所得を含めた合計所得金額が1,805万円を超えると見込まれる人については、年調減税の対象となりません。(例:給与の他に不動産所得がある)

※注意点

  • 本人の合計所得が1,000万円を超える場合、配偶者控除は受けられませんが、配偶者の合計所得が48万円以下であれば、その配偶者は同一生計配偶者として年調減税の対象になります。
  • /2以降に子供が生まれた場合には、扶養親族として年調減税の対象になりますので、扶養控除等申告書の(住民税に関する事項)欄に記載して勤務先へ申告する必要があります。
  • 月次減税の対象とした扶養親族が6/2以降に死亡した場合には、その親族の死亡時点で扶養の要件を満たしていれば扶養親族として年調減税の対象になります。

2.年調減税額の控除について
例年通りの年末調整計算を行ったのち、住宅借入金等特別控除後の年調所得税額を限度に年調減税額を控除します。その後、その金額に102.1%を乗じて復興特別所得税を含めた年調年税額を計算します。

3.「令和6年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 年末調整に係る定額減税のための申告書 兼 所得金額調整控除申告書」の様式変更について
定額減税額の計算のため、基礎控除申告書の欄に「本人定額減税対象」、配偶者控除等申告書の欄に「配偶者定額減税対象」のチェックボックスがそれぞれ追加されました。

4.年末調整済みの源泉徴収票について
源泉徴収票の(摘要欄)に、実際に控除した年調減税額を「源泉徴収時所得税減税控除済額×××円」と記載します。また、本人の合計所得⾦額が1,000 万円超である場合に、同一生計配偶者分を年調減税額の計算に含めた場合には、上記に加えて「非控除対象配偶者減税有」と記載する必要があります。

ご不明な点がございましたら弊社担当者までお気軽にお問い合わせください。


※内容は執筆時点の法律等に基づき整理しています。制度改正があるほか、内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な取り扱いを記載しております。対策の立案・実行については、専門家にご相談の上進めていただきますようお願い申し上げます。