ちょっと気になる経理処理
2024.11.08
手形支払いサイトの短縮について
令和6年11月1日以降に交付される手形について、下請代金支払遅延等防止法(以下、下請法)及び建設業法に規定されている「割引困難な手形」に関する運用ルールが変更されます。
これにより、決済までの期間が60日を超える設定の約束手形や電子記録債権の交付、一括決済方式による支払は法律の規定に違反し、公正取引委員会等の勧告や指導、違反事実の公表などの対象となる可能性があります。対象となる取引は次の通りです。
下請法の対象となる下請取引 【旧ルール120日(繊維業は90日)⇒新ルール60日】
A)物品の製造・修理、プログラム作成、運送・物品の倉庫保管・情報処理の委託
① 資本金3億円超の法人が資本金3億円以下の法人や個人へ外注
② 資本金3億円以下1千万円超の法人が資本金1千万円以下の法人や個人へ外注B)上記以外の情報成果物作成(デザイン、広告、設計等)、役務提供(顧客サービス代行等)の委託
①と②の資本金3億円の基準が資本金5千万円になります
建設業法の対象となる下請取引 【旧ルール120日⇒新ルール60日】
特定建設業者※(元請業者)が資本金4千万円未満の下請業者へ工事を委託
※1件の建設工事につき4千5百万円(一式工事の場合7千万円)以上となる下請契約を締結する事業者
※下請業者に該当する事業者がさらに孫請業者へ工事を委託するような場合は対象外
上記以外の取引を行う場合についても支払いの現金化やサプライチェーン全体での支払手段の適正化が努力目標となっており、支払だけでなく入金のサイトを早めることができれば資金繰り改善につながる可能性もあります。その他の決済方法も含めて得意先や委託先と交渉を進めていきたいですね。
ご不明な点がございましたら弊社担当者までお気軽にお問い合わせください。
※内容は執筆時点の法律等に基づき整理しています。制度改正があるほか、内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な取り扱いを記載しております。対策の立案・実行については、専門家にご相談の上進めていただきますようお願い申し上げます。