ちょっと気になる経理処理

2024.10.11

適格請求書発行事業者に相続が発生した場合の手続き

適格請求書発行事業者である個人事業者に相続が発生した場合について、相続人は事業承継の有無にかかわらず、適格請求書発行事業者の死亡届出書の提出が必要になります。また、適格請求書発行事業者以外の相続人が被相続人の事業を承継する場合は、適格請求書発行事業者としての効力をそのまま相続することができないため、当該相続人が改めて適格請求書発行事業者の登録をする必要がありますが、手続きが完了するまでの間、一定の特別措置が設けられています。

1. 適格請求書発行事業者の死亡届出書
  提出期限・・・事由が生じた場合、速やかに
  送付先・・・被相続人の納税地を管轄する国税局「インボイス登録センター」
  ※下記2.2みなし登録期間の適用を受ける場合には「相続による届出者の事業承継の有無」の欄に「有」と記載し、提出する必要があります。

2. 被相続人の事業を継承する場合の適格請求書発行事業者登録の特別措置
 (1効力の失効
  次のいずれかの早い日に被相続人の適格請求書発行事業者の効力は失われます
  ①  適格請求書発行事業者の死亡届出書を提出した日の翌日
  ②  被相続人が死亡した日の翌日から4ヶ月を経過した日

 (2)みなし登録期間
  次のいずれか早い日までの期間については、被相続人から事業を承継する相続人を適格請求書発行事業者とみなす措置が設けられています。
  ①  相続のあった日の翌日から相続人が適格請求書発行事業者の登録を受けた日の前日
  ②  適格請求書発行事業者の相続が発生した日の翌日から4ヶ月を経過する日
  この期間中に当該相続人が適格請求書発行事業者の登録申請書を提出した場合において、被相続人のインボイス登録番号を当該相続人の登録番         号とみなして使用することができます。なお、課税事業者選択届出書の提出は不要です。
  ※みなし登録期間中は課税事業者となるため、当該相続人に消費税の納税義務が発生します。
  ※上記②について適格請求書発行事業者の登録申請書を提出したものの、4ヵ月を経過する日までに登録完了通知を受けていない場合は、登録完  了通知を受けた日までみなし登録期間は延長されます。

こうしたみなし登録期間という特別措置はあるものの期限付きであるため、事業承継後、適格請求書の交付が必要と見込まれる場合は早めに登録申請書を提出しましょう。
この他にもご不明点等ございましたら、弊社担当者までお気軽にお問合せください。


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