ちょっと気になる経理処理
2023.04.11
貸倒損失の経理
貸倒損失の計上は次の3つの要件のいずれかに合致しているかどうかで判断し、その事実が生じた事業年度の損金の額に算入することにしています。
- 法律上の貸倒れ(売掛債権・貸付金債権)
売掛債権・貸付金債権につき、次に掲げるような事実に基づいて切り捨てられた金額は、その事実が生じた事業年度の損金の額に算入されます。
①会社更生法・金融機関等の更生手続の特例等に関する法律・会社法・民事再生法の規定により切り捨てられた金額
②法令の規定による整理手続きによらない債権者集会の協議決定および行政機関や金融機関などのあっせんによる協議で、合理的な基準によって切り捨てられた金額
③債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができない場合に、その債務者に対して、書面で明らかにした債務免除額
- 事実上の貸倒れ(売掛債権・貸付金債権)
売掛債権・貸付金につき、債務者の資産状況、支払能力等からその全額が回収できないことが明らかになった場合、その明らかになった事業年度において貸倒れとして損金経理することができます。ただし、担保物があるときは、その担保物を処分した後でなければ損金経理はできません。この全額回収不能という点がポイントです。
【全額回収不能かどうかの事実認定】
債務者について破産、強制執行、死亡、行方不明、債務超過、天災事故、経済事情の急変等の事実が発生したために回収の見込みがない場合などが該当
- 形式上の貸倒れ(売掛債権)
継続的な取引を行っていた得意先との間で生じた売掛債権(売掛金及び受取手形など)について、次のいずれかの事実が発生した場合には、貸倒れとして損金経理をすることができます。なお、貸付金など貸付金債権には適用できません。
⑴債務者との取引を停止した時以後1年以上経過した場合
⑵遠隔地の債権で取立費用が上回り、督促にもかかわらず弁済されない場合
形式上の貸倒損失を計上する場合には、備忘価額(通常1円)を残し売上帳にその事実を記録しておく必要があります。
【貸倒損失の仕訳例】
売掛金110万円(税込)を貸倒れとして損金経理(備忘価額1円)
借 方 貸 方
(貸倒損失) 999,999 (売掛金) 1,099,999
(仮受消費税) 100,000
❖ まとめ
貸倒損失を計上する場合は、上記1~3のどれを適用したのかと、計上時期の正当性をきちんと説明できるように記録を整備しておくことが非常に重
要です。
貸倒損失の計上は次の3つの要件のいずれかに合致しているかどうかで判断し、その事実が生じた事業年度の損金の額に算入することにしています。
- 法律上の貸倒れ(売掛債権・貸付金債権)
売掛債権・貸付金債権につき、次に掲げるような事実に基づいて切り捨てられた金額は、その事実が生じた事業年度の損金の額に算入されます。
①会社更生法・金融機関等の更生手続の特例等に関する法律・会社法・民事再生法の規定により切り捨てられた金額
②法令の規定による整理手続きによらない債権者集会の協議決定および行政機関や金融機関などのあっせんによる協議で、合理的な基準によって切り捨てられた金額
③債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができない場合に、その債務者に対して、書面で明らかにした債務免除額
- 事実上の貸倒れ(売掛債権・貸付金債権)
売掛債権・貸付金につき、債務者の資産状況、支払能力等からその全額が回収できないことが明らかになった場合、その明らかになった事業年度において貸倒れとして損金経理することができます。ただし、担保物があるときは、その担保物を処分した後でなければ損金経理はできません。この全額回収不能という点がポイントです。
【全額回収不能かどうかの事実認定】
債務者について破産、強制執行、死亡、行方不明、債務超過、天災事故、経済事情の急変等の事実が発生したために回収の見込みがない場合などが該当
- 形式上の貸倒れ(売掛債権)
継続的な取引を行っていた得意先との間で生じた売掛債権(売掛金及び受取手形など)について、次のいずれかの事実が発生した場合には、貸倒れとして損金経理をすることができます。なお、貸付金など貸付金債権には適用できません。
⑴債務者との取引を停止した時以後1年以上経過した場合
⑵遠隔地の債権で取立費用が上回り、督促にもかかわらず弁済されない場合
形式上の貸倒損失を計上する場合には、備忘価額(通常1円)を残し売上帳にその事実を記録しておく必要があります。
【貸倒損失の仕訳例】
売掛金110万円(税込)を貸倒れとして損金経理(備忘価額1円)
借 方 貸 方
(貸倒損失) 999,999 (売掛金) 1,099,999
(仮受消費税) 100,000
❖ まとめ
貸倒損失を計上する場合は、上記1~3のどれを適用したのかと、計上時期の正当性をきちんと説明できるように記録を整備しておくことが非常に重
要です。