ちょっと気になる経理処理

2022.07.11

取引先からWeb請求書の開始案内が届いたら?

取引先から紙での請求書を廃止し、Webで請求書を発行する旨の案内が届いた場合、令和5年12月31日までは、保存すべき電子データをプリントアウトし、税務調査等の際に提示・提出できるようにしていれば電子保存する必要はありません(事前申請等は不要)。

しかし、令和6年1月1日以降は、電子帳簿保存法の改正により保存要件に従った電子データの保存が必要になります(電子メールの本文や添付ファイル、クラウドサービスを利用して受領した場合も同様)。義務化と同時に電子取引の要件も緩和されたため、下記の内容を押さえておけば電子取引データの保存の要件を満たすことができますので、令和6年に備えて準備を始めてみてはいかがでしょうか。

◆保存すべき電子データ
☑請求書、領収書、契約書、見積書など
例えば、Web上で行った備品等の購入に関する領収書に相当する情報がサイト上でのみ表示される場合には、それぞれの電子データを保存する必要があります(PDFやスクリーンショットによる保存も可)。

受け取った場合だけでなく、送った場合についても保存が必要です。

◆保存方法について
☑改ざん防止措置をとる(いずれか)

(例1事務処理規程を定め、運用する

(例2)タイムスタンプ付与(授受してから最長2か月とおおむね7営業日以内)

(例3)市販の履歴が残るシステムで授受・保存

☑検索機能を確保する(どちらか)
簡易な方法(専用システムを導入していない場合)

(例1)エクセル等で索引簿を作成する

(例2)規則的なファイル名「日付・金額・取引先」を設定する

202271日 ㈱あさひ合同会計から11,000円の請求書
→データのタイトル「20220701_11000_㈱あさひ合同会計」

   2期前の売上高が1,000万円以下であり、税務調査の際にデータのダウンロードの求め(税務職員への提示等)に対応できる場合には、検索機能の確保は不要です。

☑ディスプレイ・プリンタ等を備え付ける

システム費用等をかけずに導入できる“改ざん防止のための事務処理規程”については、国税庁HP でサンプルを公表しています。https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/0021006-031.htm