ちょっと気になる経理処理
2021.04.09
消費税における総額表示義務について
「総額表示」とは、消費者に商品の販売やサービスの提供を行う課税事業者が、値札やチラシなどにおいて、あらかじめその取引価格を表示する際に、消費税額を含めた支払総額を表示することをいいます。
総額表示義務は、平成25年10月1日から一時的に停止されていました。消費税率の変更に伴う事業者への負担を少なくするための特例的な経過措置であり、一定の誤認防止措置を講じていれば、税抜価格での表示を行うことができました。
しかし、本特例措置は令和3年3月31日で廃止されるため、4月1日以降は原則通り総額表示の義務が課せられます。
例:10,000円の商品(税込11,000円)の総額表示について
〇11,000円
〇11,000円(税込)
〇11,000円(うち消費税額等1,000円)
〇10,000円(税込11,000円)
〇11,000円(税抜価格10,000円、消費税額等1,000円)
×10,000円(税抜)
×10,000円+税
×10,000円+税1,000円
上記のように、支払総額である《11,000円》さえ表示されていればよく、「消費税額」や「税抜価格」が表示されていても問題はありません。
総額表示については、消費者に対して商品の販売、役務の提供等を行う場合の価格表示について義務付けられており、事業者間の取引(いわゆるBtoB)については総額表示義務の対象ではありません。
また、予め取引価格が表示されていない場合(オープン価格等)については総額表示義務はありませんし、総額表示義務履行のためにイベント名等(100円均一ショップ、ワンコインデー等)を変更する必要もありません。
総額表示をすることにより、1円未満の端数が発生する場合もございます。その場合は、「四捨五入」「切り上げ」「切り捨て」いずれかの任意の方法で処理することになります。
総額表示にすることで、実際に支払う金額が一目でわかるようになります。国が定めた義務でもありますので、変更がまだのお客様はお早目の変更をお願いいたします。