ちょっと気になる経理処理
2019.09.11
社内レクリエーションの経理
社内レクリエーションとは社員旅行やバーベキュー大会、観劇会などを言います。ひと昔、ふた昔前と現代では社内レクリエーションの捉えられ方も変化しています。
例えば、社員旅行。経営者(使用者側)の開催意図は、社員の連帯感や一体感を生み出すこと、コミュニケーションを活性化させることです。この目的自体は、今も昔も大きく変化してはいません。
昭和から平成ヒトケタ入社の社員なら、「参加するのが当たり前、やむを得ない場合以外の欠席は認められないぞ。」「宴会の出し物、練習していないなんてありえない。」「一糸乱れぬ団体行動あるのみ。」あー、それ普通に言われていた。懐かしいけど、恐ろしかったというところでしょうか。
令和では、「自由参加でないなら、賃金支給のある業務?」「休日つぶして社員に会うだなんて何の罰ゲーム。」「そんな余裕があるなら、給料や賞与で還元してほしい。」なんてことも。自由とプライベートを愛する令和社員が創るのは、これからの日本社会なのです。邪魔してはいけません。
さて、この社員旅行ですが、税法では福利厚生費処理が認められる社員旅行の基準は、以下のように決められています。
(1)旅行期間が4泊5日以内であること
海外旅行の場合には、現地滞在日数が4泊以内であること(機中泊は含まない)
(2)旅行に参加した人数が全体の人数の50%以上であること
(3)使用者負担は、1人当たり10万円程度※までであること
(4)役員だけで行う旅行は認められない
(5)金銭との選択が可能な旅行は認められない
※使用者負担1人当たり10万円程度は、明文化されたものではなく、社会通念上一般的という表現なのですが、過去の判例等により判断された金額が10万円程度とされています。
この基準に合致しない場合には、福利厚生費としての経理が認められず、社員への給与として、所得税(給与所得)の課税対象となります。取締役の場合には、役員賞与金として所得税・法人税の二重課税となる危険性がありますので、ご注意ください。
1人10万円程度の基準では、海外旅行はおろか3泊4日の国内旅行も怪しいのですが、社員に自己負担を強制するのは難しい事です。社員旅行が実施できている会社は素敵ですね。