ちょっと気になる経理処理

2019.04.01

事業専従者の副業はNG!?

昨今、働き方改革を背景とし、短時間勤務やフレックスタイム制度、副業など、多様な働き方を選択できる会社が増えてきました。一口にパートやバイトといっても、様々な形を選択可能な時代です。

今回は、家族である個人事業主から給与を支給されている方の副業について検討していきます。
個人事業主が支払う家族への給与は基本的に経費にはできません。ただし例外として、事業専従者とすることで経費にすることができます。事業専従者とは、「個人事業主の事業に従事している生計を一にする親族」を指し、いくつかの要件をクリアすることで給与を経費にすることができます。

要件の一つに「営む事業に専ら従事していること」があります。この点が、いわゆる副業が可能か否かのポイントとなります。専ら事業に従事しているかは、その年を通じて6ヶ月を超える期間従事しているかどうかによって判断されます。

  事業専従者の副業1

例えば、事業が忙しいときには事業専従者として、そうでないときにはバイトとして働く場合はどうでしょうか。

  事業専従者の副業2

その年を通じて6ヶ月を超えるかどうかが判断基準となりますので、この場合も「専ら従事している」となります。

次に、事業専従者が他の仕事を掛け持ちしている場合はどうでしょうか。所得税法では、「他に職業を有する者(その職業に従事する時間が短い者その他当該事業に専ら従事することが妨げられないと認められる者を除く)」の期間は「専ら従事する期間」に含めることができないとなっています。

要は、掛け持ちしている期間は「専ら従事する期間」にできないという意味ですが、括弧書きに注目です。時間が短いなどで、事業に専ら従事することの妨げにならない場合には掛け持ちできます。例えば、事業が日中に行われていて、深夜に数時間程度のバイトを行っている場合は問題ありません。

仕事内容を説明できる日報や出勤簿などで勤務状況の記録をきちんと残し、「専ら従事することが妨げられない」状況を説明できるようにしておくことが重要となります。