ちょっと気になる経理処理
2018.10.01
年金の扶養親族等申告書を提出しましたか?
毎年8月ごろ、年金事務所から扶養親族等申告書が送られてきますが、提出していますか?
この書類を提出しないと、源泉所得税の金額が正しい金額よりも高くなり、その結果として年金の手取り(振り込まれる金額)が減ってしまいます。
平成23年の確定申告から、「公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下の人でその他の所得金額が20万円以下の人は所得税の申告をしないことを選択できる」こととなりました。
直近の申告が平成29年ですから、7年経過しています。
この制度が平成23年に導入された際に、
やれやれ面倒な申告をしなくてよくなった~
自分のことはみんな行政はわかってくれてるから、一々申告しなくてもよくなったんだな
と思っていませんか。大体の人が400万円以下なのだから、申告しない人は大勢いるようになったはずです。
上記のくだりで、申告をしなくなったA翁のもとに、扶養親族等申告書が送られてきました。そこでA翁は、「税務署に確定申告も出さんのに、こんなものは出す必要ないやろ、去年の状態と変わってないし」と思って放置しました。その後提出してくれとのお願いは、特にありませんでした。すると、年金が次の年からいくらか減ってしまいました。
なぜ、こんなことが起きるかというと、書類の名前は「扶養親族等申告書」ですが、実はこれにはご自身の基礎控除の適用まで含まれているからです。
扶養親族等が変わっていなくても提出しないと、基礎控除の適用まで考慮されずに、源泉所得税を年金から天引きされることになります。
したがって、結果的にわけがわからないうちに、高い源泉所得税(=その年の所得税)をとられっぱなしになっているということです。
申告していた時代は、確定申告で是正されていましたが、申告がいらなくなったからこそ、出現したワナ(のようなもの)と言えます。
とにかく!何も異動がなくとも、「扶養親族等申告書」を提出しましょう!そのうえで確定申告を省略しましょう!