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2025.12.01

㈱あさひ合同会計 取締役相談役 髙木 正男
今年のメインイベントは9月に国立競技場で行われた世界陸上を現地観戦した事だった。
人類が100mを初めて9秒台で走ったのは今から57年も前の1968年のこと。その後約120人が公認で10秒の壁を破っている。うち日本人は4人。ただ国内では桐生と山縣の二人だけで3回に過ぎない。サニブラウンも国内では出していない。とすると日本にいて9秒台を眼前で見る機会は、ほぼノーチャンスである。
それを可能にしてくれるのが東京世界陸上と気付き「一生に一度の想い出」のため一年前の8月から気合を入れてチケットをゲットした。100mはDAY1に予選、DAY2に準決勝・決勝が行われる。DAY1は正面スタンドで前から14列目100mスタート地点から30mという絶好の席がとれた。DAY2は競争厳しくバックスタンドの12列目。それでも超満員の6万大観衆の歓声・興奮の下、同じ空間、風を空気を肌で感じる感動を求めた。
人類最速決定戦の予選は7組。なんと1組目から3着までが9秒台で走った。場内は初めから興奮の坩堝に。予選で8人が記録。準決勝は3組で3・2・3人の8人が切り、9秒台のランナーだけが決勝進出を許された。その2時間後に行われた決勝の金メダル、ジャマイカのセビルのタイムは9秒77で今大会最高、5着までが超えてくれた。結局2日間で延べ20人の9秒台を目撃することができた。
思えばコロナ渦で行われた2021年東京オリンピック国立競技場は無観客だった。私が現地観戦できた自転車競技伊豆ベロドロームでも声出し禁止。動画記録を見直すと拍手だけが選手を追いかけている。その時はそれでも興奮していたが、今見直すと今回とは全く違う何か寂しい景色。あれから4年、遠慮なく声援が送れて興奮を味わえ、見ず知らずの周りの人とも一緒に共感できる平和で幸せを身に染みて感じることができた。
3000m障害の三浦選手がインタビューで言った「応援の声が地響きのようで鼓膜が破れるんじゃないか、心の内側から震える歓声が後押しになった。今まで経験したことのない最高の場だった」と。ヒートアップした歓声と拍手が走る選手と一緒に回っている。テレビでは決して味わえないサラウンドの世界だった。
9秒台目撃とともに、選手と観客が織りなす、この一体感をその場で味うことができて、今までの人生で最高の瞬間を確かに更新することができた。