役員コラム

2024.12.03

Your day! Today is your day!

㈱あさひ合同会計 代表取締役会長 髙木 正男

前回コラムでパリオリンピック自転車トラック日本チームへの期待を書いた。そのレベルを「運が悪かったらメダルが取れない」と。結果は残念ながらその「運が悪かった」になってしまった。ただ真実は、それだけではなかった。特に岡山の太田海也は、自転車競技を始めて3年足らず。世界の頂点に立つのは流石におこがましく、究極は経験不足だった。他の選手も勝てる力で臨む大会の経験が不足していたというのが総括であろう。

失意のどん底に落ちた太田は、再び競技に向かい合うために時間がかかった(と言っても2週間)8月前半のどん底から、9月初めには国内大会に無理して出場、10月の世界選手権によく間に合わせたと思う。結果はチームスプリントで銅(世界戦日本初)、スプリントでも銅(35年ぶり)だった。最低限の結果が残せたので次のロスオリンピック金へ向けてモチベーションが上がったに違いない。3年半後を楽しみにしている。

今年の世界選手権日本チームは過去最高の成績が残せた。男子ケイリン山﨑賢人・女子ケイリン佐藤水菜・スクラッチ窪木一茂が金メダル獲得。表彰台の真ん中に立ち、センターポールに日の丸、君が代が流れマイヨアルカンシェル(世界戦優勝者にだけその後一年間着用が許される虹色ジャージ)が一度に三枚も日本に。過去にはレジェンド中野浩一が10 (19771986)、本田晴美 (1987)・俵信之 (1987)・梶原悠美 (2020)が各1枚だったのに。日本発祥の種目ケイリンでの金メダルは日本の悲願だった。それを男女で一度に達成した。応援している種目の表彰式で君が代が聞ける感動は自然に涙がこぼれる。

男子ケイリンで優勝した山﨑賢人は、パリではリザーブに甘んじ現地に行けず、その間は日本で競輪を走っていた。この悔しさを次に繋げて臨んだ大会。決勝戦スタート時にヘッドコーチのジェイソンニブレットからかけられた言葉が「Your day! Today is your day!」「お前が主役だ!いけるぞ!」まさに決勝最終3コーナーは、この言葉を信じて足と身体が反応しているように見えた。今大会の中で私が一番心に残った言葉だった。

今までの私なら、自分がいつか必要とする時に思い出そうとしただろうが、これからの私は、誰かのために大切な場面で一声かけて頑張ってもらうためにこの言葉を準備しておこう。