役員コラム

㈱あさひ合同会計 取締役　今田 泉美

天(あま)が下のすべてのことには季節があり、すべてのわざには時がある。

生まるるに時があり、死ぬるに時があり、

植えるに時があり、植えたものを抜くに時があり、・・・（省略）

愛するに時があり、憎むに時があり、

戦うに時があり、和(やわ)らぐに時がある。・・・（省略）

神様のなさることは、すべて時にかなって美しい。

『旧約聖書-コヘレトの言葉　口語訳抜粋』

　　　　　　　　
この言葉に出会ったのは大学生の時でした。「時にかなって美しい」という言葉の響きに惹かれて手帳に書き写しました。

私は就職して数年後、トラブルに巻き込まれ長い年月を裁判に費やしたことがあります。やっと勝訴し、喜んだのもつかの間、その後の処理が問題山積でした。「当事者でもないのに、なぜ私がこの問題を背負わなければならないのか」そう思うこともたびたびでした。心は疲れ切っていましたが、「何か特別な意味があって、私はこの場所に置かれたに違いない。だから、もう少し頑張ってみよう。」そう心を立て直すことの繰り返しでした。

厄介な問題は一向に改善されないまま、閉塞感に押しつぶされそうな年月が続きました。もうこれ以上先送りすることはできないという状況に追い込まれたとき、これを最後にしたいと腹をくくり、力を振り絞って正面から取り組み始めました。するといろんな方々がお力を貸してくださるようになり、その思いが結集したのでしょうか、劇的に山が動き始めた瞬間がありました。それまで黒ばかりだったオセロの駒が順番にひとつずつ白に変わっていくように、奇跡的に問題が解決していくという経験をしました。

すべてをくぐり抜けるのに二十数年かかりましたが、今は完全に新しいステージに駒を進めることができたと思います。こんなことは、すべて神様が計画なさっていたとしか考えられません。感謝です。

振り返ってみて思います。あの長い年月は、たとえ暗闇の中に置かれたとしても、そこから逃げることなく、少しでも前向きに努力する心のトレーニングの「時」だったのではないかと思うのです。すべてのことには季節があり、その時に与えられた試練を味わい尽くしたなら、きっと新しいステージ、次の季節に進める日が来るのではないでしょうか。

今は確信をもって言えます。神様のなさることは、すべて時にかなって美しい、と。