役員コラム

2022.07.05

戦争に慣れないで!

㈱あさひ合同会計 所長 髙木 正男

「お願いですから、戦争に慣れないでください」ウクライナのゼレンスキー大統領夫人オレナ・ゼレンスカが世界中に訴えた言葉。これは今年2月ロシアの軍事侵攻が始まって1か月余りが過ぎた3月後半に発せられたものだった。

当時はロシアの蛮行が伝えられ、罪のない人々や子供たちが傷つき泣く姿をテレビで見てショックを受けていたころ。その気持ちが抑えきれず4月号のコラムで反戦を訴えた。あれから3か月、愚行が始まって4か月以上がたった今でも残念ながら戦争は続いている。ロシアの案外浅はかな計画、西側諸国の協力、そして何と言っても驚いたのはウクライナ国民の民主主義愛国心と団結力、さらにゼレンスキー大統領の発信力。双方譲れないもののため長期戦になってしまった。

目の前のニュースが増えると4か月も前からの遠い地域の話題は、何となく「また同じニュース」と錯覚してしまい新鮮味が失われている。それではいけないぞ!と思っていた時に大統領夫人のこの発言を知った。本当は一時も忘れたことは無いし、気にしなかった日も無かったのだが。

自分勝手な理屈で国際秩序ルールを無視した強国による現状変更を許してはいけない。暴力で強いものが自分のわがままを自由にできるような世界になってはいけない。それは人類にとって過去の事、19世紀から20世紀の中盤までのことだったはず。今は21世紀が4分の1も過ぎようとしているのに。人類の進歩と繁栄は何なんだ。

戦争前から異常気象やコロナその他の要因で物不足や値上げは予定されていた。そこへ戦争だ。物価高騰に拍車がかかる。我々の経済も痛むが、結局は貧しい地域での食料危機だ。「今すぐ行動しないと大きな代償を払うことになる。」

考え方の違い、解釈の違いは国や宗教や人種の違いからだけではない。同じ人種や国、いや家族の中においてでも存在する。話し合いを諦めて先に手を出した方がどんな理由言い訳をしても絶対に悪いと思う。課題は時間がかかっても相手を尊び、痛みを分かち合う心をもって、話し合いで解決に向かうのが21世紀人のすべきこと。

無力な発信と解ってはいるが、一日も早く平和が訪れることを祈る。

10月のコラムは平和な話題を書かせて欲しい!