役員コラム

2021.06.11

72の法則

㈱あさひ合同会計 副所長 藤原 耕司

72÷〇(複利の利率)=年数。
一定の利回りで複利運用した場合に、元本が約2倍になる年数の目安を知る計算式。
いわゆる72の法則。

例えば、100万円の元本を年2%で複利運用すれば、72÷2≒約36年で200万円となる。
数学的に考えると100万×(1+0.02)36≒約200万だが、それより簡単に計算できる。
銀行に預け入れし、約10年で元本が2倍になった方も多いバブル期は、預金利率が約7%程度だったということになる(72÷7≒約10年)。うらやましい。

この法則、運用以外の場面で考えてみる。

毎月の給与。年3%の昇給率が続く場合、約24年後に額面給与額は2倍となる。

会社の場合、前年比4%ずつ増収が続くと約18年で売上が2倍に。
増収率を設定し、〇〇年後に会社の売上が2倍になることを思いえがく。
現実として、一定率の増収が続くわけではないし、売上拡大だけが会社の目標ではない。
ただ、時流にあわせた浮利でない役務を提供し、世の中で受け入れられる組織となっていれば、売上を始めとする会社規模は大きくなる。
そうした組織になるための方策を考えながら、増収率を設定することは意義がある。
雇用を生み、社員の処遇改善をするのであれば、売上目標は常に持ちたい。

個人の力量にはどうだろうか。72の法則はあてはまるのだろうか。
約10年後、自身の仕事力(専門職なので、専門力×人間力)を2倍にしたい。
成長率は年7%。
運用センスはないけれど、能力向上は自分の意思と行動次第。時代と他者をうらやむこともない。
勝手な解釈かもしれないが、72の法則を信じ、真っすぐ研鑽する。

ちなみに、元本が3倍になるおおよその年数を知る計算式もある。
115÷〇(複利の利率)=年数。115の法則。
欲張りな方はこちらを参考に。