役員コラム

2021.05.12

《自分育てのすすめ》習慣は才能を超える

㈱あさひ合同会計 取締役 今田 泉美

10代の頃の私は人見知りで、引っ込み思案で、それが大きな悩みの種でした。
高校の卒業式の日、担任の先生が卒業していく私たち一人ひとりに手紙をくださったことがあります。私宛のその手紙には、3年間のねぎらいの言葉の最後に「ただ一つ、あなたは人見知りでしょう?もっと自由に振る舞ってもいいのでは?」と書いてありました。
ずっと人見知りの性格に悩んでいたので、最後にとどめを刺されたようで、私はその手紙をそれ以上読み続けることができませんでした。
でも、ちょうど大学生になるタイミングということもあり、新しい環境で、新しい自分として振る舞おう、絶対に克服しよう、と決めました。
大学に入ってからは、毎朝「私は人見知りじゃない」と自分を奮い立たせ、誰とでも、全く人見知りしていないかのように振る舞い、あえて、いろんな人と関わりを持つように努めました。ぎこちなくても、苦痛でも、くじけそうになっても、どうしても克服したかったので、それを習慣にしました。
習い事と一緒で繰り返し練習していれば、少しずつでも上達していくのではないでしょうか。
大学3年生に進んだ頃、いつも一緒にいるゼミの友人から奇跡のような一言をもらいました。「初対面の人にも全く人見知りする様子がないけど、どうしたらそうなれるの?」
もう、心の中でガッツポーズです。今でもその友人とは仲良くさせてもらっています。
あの時はショックで読み続けられなかった手紙も、今では「こんな時代もあったな」と懐かしく読み返すことがあります。先生に感謝です。

「習慣は才能を超える」
これは元、東レ経営研究所の佐々木常夫氏の言葉ですが、とても勇気をもらいます。
不条理なこと、つらい状況におかれたとき、どう受け止めるか、これも思考の習慣だと思います。前向きになれないような状況でも、少しでも前に進もうと一筋の光を探す試みをするかどうか。聞きたくない意見の中に大切なヒントがあると受け止めて、自分を見つめ直すかどうか。
この思考の習慣の積み重ねが、いつかその人の人生になるのだと思います。 
毎日少しずつでもいいから前に進んでいきたい。失敗があったとしても。
習慣という努力次第で、生まれ持った能力を超えて、なりたい自分になれるなんて素敵なことだと思いませんか?