役員コラム

2019.11.11

世界一流の本物

㈱あさひ合同会計 代表取締役 高木 正男

先日、大原美術館に行った。記憶をたどれば大学2年以来となるので42年ぶりか。近頃気になっている印象派、中でもモネの睡蓮を見たいと思って久しぶりに訪れた。

私は芸術的感覚が劣っていると自覚している。美術や文学という面は今でも幼稚さを感じているが、学生だった当時はそれも気付かないで友人の誘いによって同行しただけだった。その証拠に何の感動も覚えていない。エルグレコの喫茶店に寄ったから「受胎告知」を見たことだけは覚えている程度だ。

今回もさほど期待せずに訪れたが、中に入った途端から圧倒された。モネ、エルグレコだけじゃない。ピカソ、ゴーギャン、ルノワール、ミレー等々。さすがの私でも知っている世界の一流、本物が迫ってくると感じた。もっと早く訪れてみれば良かったと思えたのは、少しは成長したからなのだろうか。

今年はゴールデンウィークに大阪へフェルメールを見に行った。夏には、ひろしま美術館へ「印象派、記憶への旅」というポーラ美術館との共同企画特別展に行き、印象派の作品をこれでもかと堪能した。その後に、大原美術館へとなった。

これまで生きてきた中で、自分はデータとかを中心に物事を見る習慣が身についていた。性格や置かれた環境、銀行員から税理士という職業柄も影響したのか、だからこの職業を選んだのか。そんな中、直感力に弱みがあることを自覚してきていた。芸術的感覚が直感力に影響しているのではないか。この年になってやっと、芸術的感覚を磨く入口に立てるようになってきたのかもしれない。仕事や人生に役立つのにどこまで間に合うか不明であるが、楽しんでみたいと思いだした。

 一流の本物を生で見て肌で感じることの重要性は、スポーツを現場本場まで出かけライブ観戦して感動を味わうことが、さらに世界レベルのものならなおさら、自分の何かに役立っている事を知っていた。テレビで見るのとは全く違うものがある。と言っても現場まで行くのは自転車・陸上・プロ野球くらいであるが。

 最高水準に触れて、それを感じることで自分のレベルを知り、さらなる向上を目指さなければいけないと思い知らされる。そのことがプロで一流な仕事、お客様に役立ち喜んでもらうことに繋がるのか。世界レベルの一流にまではなれないが、「なれる最高の自分」をいつまでも意識して進んでいきたい。