役員コラム
2019.06.10
原点は坊主
㈱あさひ合同会計 副所長 藤原 耕司
春から夏にかけては、自分の中では原点に立ちかえる時期。
新卒として勤務した会社を1年1ヵ月で退職した後の5月のGW、京都で学生時代の友人達と会った翌日、ふと思いたち、岡山に帰る前に床屋に寄り、初めて頭を丸めた。
中学校で部活を決める基準は、女の子の目を気にして髪を伸ばせるかどうか。成人してからばっさり髪を切ることは、想像していなかった。
退職した後目指したのが税理士。ただ、前提となる簿記の知識はほとんどなく、まずは簿記3級から。高校生に交じり試験を受けた恥ずかしさは、髪型のせいではない。
簿記の基礎勉強が終わると約3年間、税理士試験に専念したが、1年に1回ある税理士試験が近づき、自分なりにギアをあげる時には、坊主となり、簿記3級の試験会場で感じた恥ずかしさと悔しさを思い出しては初心に戻った。
髪もないが、職なし、金なし、車なし。あらゆることが“坊主”。
女性にもてることはなかったが、甘かった自分と向き合えた貴重な期間でもあった。
その後、前勤務先の税理士法人に就職が決まり上京した際、少し迷ったが頭を丸めた。
同世代に相当遅れをとった仕事に没頭することにし、しばらく髪は伸ばさなかった。
社会人としてお客様には失礼だったかもしれないが、髪型のことで社内外からクレームがなかったのは、かけ出しで実力はないけど仕事にまっすぐ向き合っているように見え、プラスに作用したのか、そもそも髪の毛が生えないと思われていたのか、定かではない。
そうこうするうちに30歳を過ぎ、少しずつ仕事を覚え、生活していく目途もたち、結婚も決まった。さすがにそのままの姿で披露宴をあげるわけにはいかず、結婚を機に髪を少し伸ばすことにした。
ちなみに、意図しなくても髪が寂しくなる年頃となり、同級生とそうした話題で盛り上がることも増えてきたが、格好いいはずの20代の大半を髪の毛なしで過ごしたことを思えば、これから髪がなくなっても、なんてことはない。
話がそれたが、そういうわけで、毎年この時期は頭を丸めていなくても“気持ちは坊主”。自然に初心にかえることができる。坊主丸儲けを夢みることもあるが、こつこつ仕事に取り組もうと考えている。