役員コラム
2018.12.13
お酒は好きだけど
㈱あさひ合同会計 副所長 藤原 耕司
「藤原君、君は頭が悪いね」
12年前の師走、前勤務先のグループ会社の先輩から、笑いながらもそう何度か諭された。当時、新しいプロジェクトの責任者となり、自分なりに考え、行動していたが、組織方針に疑問があり、飲みながらその先輩に愚痴をこぼしていた。
先輩の言いたかったことは「悩み相談や方向性の意見交換はいいけど、単なる批判は聞いていて面白くない。これから増える後輩なら聞いてくれるかもしれないけど、腹の底は違うよ。逆に人間性を低く見られるだけ。自分にとってマイナスにしかならないことを口にするのは頭が悪い人」。
終電を逃した深酒、他にほとんど記憶は残っていなかったが、今でも鮮明に覚えている。
「職場の飲み会は多いが、おもしろくない」
数年後、取り組んだプロジェクトの関係で大手金融機関の方々と知り合うようになり、そのうち、同年代の方達とプライベートで飲みに行く機会が増えた。その時彼らからよく耳にしたのは職場での飲み会の様子。「上司である課長や支店長の話題は同僚や他部署(支店)、組織の陰口が多い。そうした話をすることで、相対的に自分の存在を保っている。部下としては分かったように同調しているけど」。
大手金融機関はそれなりの方が集まっている組織で、当時は意外だったが、古今東西、(その大手金融機関に限らず)会社の形態や組織規模に関係ないことなんだなぁと感じ、あわせて先輩の言葉がオーバーラップした。
「藤原さん、また同じ話をしていましたよ」
本人はもちろん覚えていないが、飲み会の翌日、そう言われることもちらほら。年を取ったせいか、今までと同じ酒量でも自分の感覚以上に、酔いがまわっている様子。お酒を飲んでいる人特有の時間間隔の麻痺で、つい飲み会の終了が遅くなることも。
30代前半の時期に諭してくれた先輩と同じくらいの年齢になった。当時はカチンときたが、柔軟性のある若い時に忠告していただいたことも、組織外の方達の話を聞くことができたことも本当に良かったと思う。そうして少しずつ“賢く”なったつもりだが、まだまだスマートな飲み方はできていないよう。
年末年始はお酒の場が増えるシーズン。
最近取り上げられることが多い各種ハラスメントの他にも、飲み会で嫌がられるのは、絡まれる、同じ話を聞かされる、長い・・等、多くある。愚痴をこぼしたり、絡むことはない(と思う)が、ほろ酔い程度でほど良い時間を楽しく過ごせるよう、今一度自戒したい。