役員コラム

2017.12.01

地域貢献

 

㈱あさひ合同会計 取締役 古川 達也 

  香川県生まれ、平安時代初期の僧で真言宗の開祖の名前は?
― 答えは、言うまでもなく空海(弘法大師)です。

 昨年遍路を初体験し、その魅力にハマった私は現在三巡目に挑戦中です。初めての遍路では、88番から1番に向かう逆打ちでした。お客様にご利益欲しさに逆打ち遍路をしましたという話をすると、お客様から、「初めてで逆打ちは無かろう。それ何度も巡ったことのある人がするもんじゃろう。」という助言をいただきました。次は1番から行きますと答え、2巡目で無事順打ち(1番から88番に向かう巡礼)をすることができました。

 知人などには「何が楽しい?」と聞かれますが、ただひたすらにお経を唱え、納経所で朱印をいただき、次の札所をめざして進むだけの行為自体には、正直楽しさはありません。最近やっと、まわりの景色や人々の暮らしを見ることができるようになった程度です。では何を求めて…。 

 まず七回巡れて納札が赤札になるまで、今できるときにできることをしてみようと思っています。先達さんから「お遍路は、思い立ったら誰にでもできることなのですが、実行はなかなか難しいものでもあります。それは、自身の健康と周りの環境とお金の3点が揃っていないとできないことだからです」と教えていただきました。人は、いつなんどき、健康や家庭環境や収入金額が変化するかわかりません。今できるなら、それを幸せに思い、続けてみようと思っています。

 四国を巡っていると、歩き遍路や大きなリュックを背負った外国人遍路がおられます。岡山では、まず目にすることがないのですが、四国4県ではよく見る光景です。巡礼をされている理由はわかりませんが、今日も多くのお遍路さんが四国を巡られているのは事実です。札所の駐車場でも西日本全域のナンバーを見かけますし、東京から来ましたという人の話も聞きました。

 「日本国内で1200年間も続き、今は世界中の人を集めるシステムを構築した空海はとんでもない人で」遍路中、何度も何度も同じフレーズを言っています。人それぞれ自分なりの理由があり四国を巡られているのでしょう。ただ、四国という地域に10世紀以上にわたり人が集まっているという事実。和歌山県の高野山も同じです。ハワイのようなリゾート地でもなく、ディズニーランドのようなテーマパークでもない田舎の山々に多くの人々がやってくる仕組みを作ってやろうと思っていたわけではないでしょうが、人が動けばお金が動き、そこに商売が生まれ、雇用も創出されます。その仕組みを守り続けてきた地元の方々の努力がお接待なのかもしれません。

 1200年前に善通寺に生まれた一個人の、生まれ育った地域への恩返しとしては、途方もなく大きな功績だと思うのです。地域貢献の大巨人である空海に畏敬の念を抱きつつ今日も元気に四国に出かけます。