役員コラム

2016.01.01

迎 春

 

㈱あさひ合同会計 代表取締役 髙木 正男

 あけましておめでとうございます。幸多き新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

 今年の税制改正の目玉は、法人実効税率の引き下げです。29.97%は2013年度の37%から7%も下がったことになります。これで米国や仏国を下回り独国と同水準になりました。企業が収益力を高め前向きな投資や賃金引上げを促す政策は、政府が目指す「一億総活躍社会」に法人向けとして、かなり踏み込んだ改正と考えます。
ただし、減税財源としての外形標準課税の導入は赤字企業への税負担が増すことになり、関係する大企業の赤字は許されない状況です。中小企業は当面赤字課税からは免れると思いますが、黒字が出せる会社は資金が残り、設備や人材など将来に向けての投資ができるので、良い商品やサービスが提供でき働きやすい環境も整えることができる、いわゆる「良い会社」になっていくことができます。それに対し、儲けを出せない会社は「良い会社」になれず、差が広がって、ますます競争力が弱まってしまうことになります。

 儲けを出すのは一番難しい問題ですが、そうしないと会社の未来が無いと思わなければならない時代になったわけです。経済界のトップが「ゾンビのような企業が経済の足を引っ張るより、新陳代謝を図る方が資本主義の常道だ」と言っているわけですから、より一層正当に儲ける方法を考えないといけなくなりました。

 一方個人の税制は、人口が減少傾向にある日本においては「働き方や世帯構成に中立な税制」が求められているはずですが、103万円の壁をはじめ所得税の抜本改革は結局先送りされてしまいました。難しくても将来のためになる改革は、強い政府の下でしかできないはずなのに、今の安倍政権でできないのであれば日本の将来は誰に託したら良いのか、と残念に思ってしまいました。

 今年の岡山圏は大規模なイベントが盛り沢山です。春にはJRグループと地方自治体がタイアップした大型観光デスティネーションキャンペーン「晴れらんまんおかやまの旅」や伊勢志摩サミット時の主要国教育相会合が倉敷で開催されます。夏にはインターハイが、さらには瀬戸内国際芸術祭も年間100日超開催されるとのことです。外からの活性化が期待される中、これを直接でなくとも、間接的にでも流れを自分の中に取り込めるものを探して、今年の経営は勇気を持って前向きに進めて行きたいものです。

 あさひ合同会計グループでは、本年も皆様のお役に立てるよう頑張っていく所存であります。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。