役員コラム
2016.09.01
上手になりたいことは何ですか
㈱あさひ合同会計 取締役 今田 泉美
久し振りにトレッキングシューズを買い替えました。ぼろぼろになっていた前の靴は、この10年ほどの苦楽をともにしてきた戦友のようで手離しがたかったのですが、思い切って「ありがとう!」の言葉をかけて処分をしました。
平成19年8月、税理士法人を設立しました。それを機に事務所の繁栄と奥山先生の病気平癒を願って、山の上にある龍の口八幡宮へ毎週お参りすることにしました。2年間は一度も欠かさずに続けました。今、同じことをやれる自信はありませんが、あの時はそれだけ追い詰められていたということなのでしょう。
突然やってきた代替わりの数年間は、想像をはるかに超えたものでした。日常を感じる暇などなく目の前のことに精一杯だったせいか、どうやってきたのか記憶があまりないくらいです。
余裕がないせいで、当時は見過ごしていたことでも、時が経過するにつれ、どれだけの有り難い支えを周りの方々からいただいていたのか、今ごろになって気づかされることが多くなりました。年々、感謝の思いは深くなっていきます。
逆境や試練の中に置かれることはしんどいですが、理不尽なことにも大事な意味が隠されているということを、身を持って理解させていただけたことは、私の財産です。
人は亡くなっても魂は生き続けているそうですから、税理士法人を設立してすぐに亡くなった奥山先生は誰よりも事務所の行く末を気にかけていたはずなので、見えないところで神様と一緒に采配をふるっていたに違いありません。
今また新しいトレッキングシューズをはいて、1週間の感謝を申し上げながら、慣れた山道をお参りさせていただいています。
山に登るのがしんどい日もあります。感謝の気持ちよりも煩わしい問題で頭がパンパンの時もあります。
そんなときでも、見上げるとすっきりと青い空が広がっていることに感動することがあります。水の流れる清々しい音を聴きながら登っていると、煩わしいことがどんどん洗い流されていくのを感じます。そうしているうちに、チマチマと悩んでいる問題にも、これは自分をよりよく磨くための有り難い課題を頂いているんだと受けとめ直すことができるようになります。登りきる頃には感謝の気持ちが溢れているので、ほんとうに不思議です。
ただ、私は凡人ですから、日常に戻ると、またつまらないことに頭を悩ませてしまいます。煩わしいことにも感謝をするというのはそんなに簡単なことではありません。だから、心のごみを浄化し、感謝の気持ちをチャージするために足を運んでいるのかもしれません。
どうしたら、どんなときでも感謝の気持ちを持続できる人になれるのでしょうか?
それは、習慣になるまで毎日意識することを「習慣づける」ことなのだそうです。
わがままばかり言う人は、わがままを言うのが上手になり、不平ばかり言う人は不平を言うのが上手になるそうです。いつもやっていることが上手になるのです。
みなさんが上手になりたいことは何ですか?