役員コラム
2015.09.01
“青春” サミュエル・ウルマン
㈱あさひ合同会計 取締役 光岡 敬一
ときおり書棚から取り出して愛誦する名詩がある。アメリカの詩人サミュエル・ウルマンの「青春」である。
『青春とは人生のある期間を言うのではなく心の様相を言うのだ』の冒頭はよく知られている。そして、『年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる。歳月は皮膚にしわを増すが情熱を失う時に精神はしぼむ』と続く。生涯青春を標ぼうする私にとって、この詩は勇気と活力を与えてくれる。
サミュエル・ウルマンは、アメリカの実業家で、80歳の誕生祝い(1920年・大正9年)に自費出版した詩集の中にこの「青春」という詩が載せられている。この「青春」という名詩は、アメリカ人ウルマンの作であるから、当然、日本語への翻訳者がいるわけである。先に紹介した翻訳は岡田義夫氏という実業家が原文を読んで感激し昭和21年頃に訳されたものである。その後、この詩が評判になってから、いろいろな方が翻訳されている。
先ほど紹介した、冒頭の一行である『青春とは人生のある期間を言うのではなく心の様相をいうのだ』というくだりはあまりにも有名である。そのためか、続いて、心の様相とは何なのかを述べているがあまり知られていない。
『優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒險心、こういう様相を青春と言うのだ』と言っている。
これは、100年近く前にアメリカの実業家ウルマンが、自らの実業家としての気迫を詩に託したものであるが、私なりに解釈し座右の銘としている。
『優れた創造力』 常に新しいものに挑戦
『逞しき意志』 目標を成就するための強い意志
『炎ゆる情熱』 自分自身が熱く燃え、周囲の人々を巻き込む。
『怯懦を却ける勇猛心』 目標を成就するために、まずは、自分の弱い心に打ち勝つ、克己の心
『安易を振り捨てる冒險心』 安易な道を選びたがる自分の心を戒め、リスクを恐れずに挑戦
このような「心の様相」は、100年近く経った現在においても企業経営者・リーダーに求められる不変の心構えであるように思う。