役員コラム
2014.05.01
中国古典に今思う
㈱あさひ合同会計 取締役 髙木 正男
数年前から哲学、古典に取り組むという目標を掲げてきたにもかかわらず遅々として進まず、諦めかけていた近頃の自分があった。ちょうどその折SBIホールディングス社長の北尾吉孝氏の「中国古典から学んだ経営学」という講演を聞く機会を与えられた。論語をはじめ様々な中国古典から時代を考え、経営を考え、人間を考えることを教えられた。
経営・仕事・人生において、あるべき姿、ぶれないものを確立するために古典を学ぶことは以前からたくさんの人に教えられ理解もし、かじってきたつもりだった。そのため自分がやらなければならないことが素直に頭に入ってくる気がする講演となった。
かつては自分も物事の何においても自然に人間の行動、心理を学ぶことができていたと思っている。しかし、忙しさにかまけて次へ進む努力を怠っている間に、気付き考える力が退化してきたことを実感している。
これまで転職をして、ご縁に恵まれた今の仕事をする中で自分のモットーである「仕事を通して地域貢献」が様々なお蔭も相まって、できてきたと思っている。それは自分としてはそれまでに努力して拡げてきた器の中でできていた。しかし、近頃その器を拡げる努力がおろそかになってきていた。目が見えない、親が病気だ、何かに付け忙しい、と言い訳ばかりしていることに 気づいてはいても動けない自分がいた。
まだ56歳。素直に現状を理解し、気付かせてくれた方々に感謝し、全力投球あるのみだ。ここまで育ててくれた周囲への恩返しは、これからである。
四書五経の一つ『大学』にある
「身修まりて後、家斉う。家斉いて後、国治まる。国治まりて後、天下平らかなり」
天下泰平をもたらす一番の基本になるものは「身を修める」こと。一個人である自分が一生懸命勉強し、考え、実行し、反省してさらに繰り返す。このサイクルを真摯に実行して人間力のレベルを上げていく努力を惜しまずもう一度成長していこう。そして明るくすごし周りに良い影響を及ぼして行くようにしよう。
もう一つ
「積善の家には必ず余慶あり、積不善の家には必ず余殃あり」 『易経』
善を積み重ねていくと、自分の運気も良くなっていき、良い人にも巡り会っていく。これを信じて新しい一歩を踏み出して行こうと思う。