役員コラム
2014.10.01
相続税改正
㈱あさひ合同会計 代表取締役 髙木 正男
相続税の基礎控除が縮小される平成27年1月が目の前に迫りました。既にご存じの事と思いますが、基礎控除額が現行の6割に減少します。配偶者と子供二人というモデルでは今まで80百万円 だったものが48百万円 になるということです。
この改正により、年間死亡者数に占める相続税の課税割合は現状の4%から6%以上になる、つまり納税者が1.5倍以上増加すると予想されています。中には申告件数が2倍以上になるという人もあります。今まで以上に相続税を意識していただく人の範囲が広がる事になります。
申告件数が増えるとともに当然、増税となります。配偶者と子供二人で遺産総額1億円(法定相続分で遺産を取得し配偶者の税額軽減を利用)の場合、税額が100万円から315万円にも増加することになります。
まずは税額試算をお勧めしています。用意するものは ①固定資産税の納付書についている課税明細書 ②銀行の通帳,証書 ③証券会社の残高明細書(直近に来たものでOK)④生命保険証券 ⑤その他、価値があると思うもののメモ ⑥借入があれば残高 この程度で十分と思います。まず概算で、申告の要否、納税額を知ることによって安心感がでるのは良くあることです。その後、相続税対策を何から始めるかを考えます。納税資金の準備も大切なことになります。また、しなくて良い生前贈与や譲渡、誤った対策や業者からの勧誘などから身を守ることも大事なことです。よろしければ我社担当者か、又は直接私の方へご一報下さい。喜んで概算計算させていただきます。
我が事務所においては昨年夏以降コンスタントに相続税の申告案件をいただきました。この一年間で件数だけでいうと例年の倍以上となりました。改正前なので、この現象は単なる偶然なのですが、その内訳は総遺産額が小中規模の案件がほとんどでした。ちょうど来年からの予行練習になったのかなと思っています。
相続というものは十人十色、人それぞれ違うもので、ただ納税額が少なければ良いというものでもありません。様々な人がいて、様々な考えの元で行われます。自分の父を学生の時亡くし相続税の申告をしたことが税理士になったきっかけの私としては、これまでの経験を生かして、微力ながら少しでも皆様方のお役に立ちたいと考えています。