相続・事業承継あれこれ

2025.02.07

相続時精算課税制度~贈与者が贈与した年の中途に亡くなった場合の手続き~

税制改正により、令和6年以降の贈与については相続時精算課税制度を利用する方が増える見込です。今回は、贈与者が贈与した年の中途に無くなった場合の手続きを整理します。

【贈与者が亡くなった年から相続時精算課税制度を利用したい場合】
贈与税に関する手続き
下記イ又はロのいずれか早い日までに「相続時精算課税選択届出書」を提出します。
イ. 贈与税の申告期限(贈与を受けた年の翌年315日)
ロ. 贈与者の死亡に伴う相続税申告期限日(贈与者の死亡日から10か月経過する日)

なお、贈与者が亡くなった年の贈与については、その贈与金額が年間110万円以下の場合はもちろん、年間110万円を超える 場合も贈与税の申告  手続きは不要です。
亡くなった年の贈与については、相続税の計算対象となります(下記②)。
相続税の計算(相続財産への加算)
相続時精算課税制度による贈与金額を贈与者(亡くなった者)の相続財産に加算し、相続税の計算をします。その際、加算対象となるのは110万円を超える金額のため、贈与金額が年間110万円以下の場合は、贈与税も相続税もかかりません

【亡くなった年の前年以前から既に相続時精算課税制度を利用している場合】

贈与税に関する手続き
前年以前に「相続時精算課税選択届出書」を提出済みのため、手続きはありません。
その他、贈与税の申告手続きも不要です(上記【贈与者が亡くなった年から相続時精算課税制度を利用したい場合】の取り扱いと同様)。
相続税の計算(相続財産への加算)
基本的な考え方は、上記【贈与者が亡くなった年から相続時精算課税制度を利用したい場合】の取り扱いと同じです。なお、前年以前から既に本制度を利用している場合、過去の贈与も加算対象となりますが、贈与年によりその取り扱いは異なります(下記)。
≪相続時精算課税制度の利用に伴う生前贈与加算の対象となる金額≫
 ・令和5年以前の贈与は同制度を利用した全ての金額
 ・令和6年以降の贈与は同制度を利用した贈与額のうち、毎年110万円超の金額

(参考)
 税制改正による令和6年以降の贈与税制については下記もご参考にしてください。
 ・弊誌information20232月号・3月号・5月号


内容は執筆時点の法律等に基づき整理しています。制度改正があるほか、内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な取り扱いを記載しております。対策の立案・実行については、専門家にご相談の上進めていただきますようお願い申し上げます。