相続・事業承継あれこれ

2022.07.11

デジタル遺品への備え

 デジタル化が進み便利になりましたが、相続があった際のデジタル遺品は家族に分かりづらいため、急な相続に備えた準備が必要です。

(1)デジタル遺品の例

 (2)家族がデジタル遺品を把握することが遅れた場合の問題

デジタル遺品の中には相続税の計算に関係するものもあり、相続税がかかる方の場合、所定の申告期限までに正確な税金計算を行えないことがあります。
また、相続税の課税有無に関わらず、株式、投資信託、暗号資産、FXといった金融商品は時価変動があるため、相続手続きが遅れることで売買時期を逃し、損失が発生することも考えられます。そのほか、財産ではないですが、音楽や動画の配信といった定期課金サービス契約(サブスクリプション)は、契約の終了手続きが済むまで支払いが続きます。

 (3)事前の準備
 ① 財産目録の作成

どういった財産や契約があるか、本人も忘れることがあります。
メモ程度で良いので、「どこに何があるか」整理し残しておくことが大切です。

これはデジタル遺品に限らず、相続対策に取り組む際、最初の一歩としてお勧めします。

 ② IDやパスワードの管理

パソコンやスマホのパスワード等が分からないと、それらデジタル機器等のロックを解除できず、中にあるデジタル遺品が見つかりにくくなります。いざという時に備え、パスワード等のメモを残すことが必要です(保管場所については悩みますが、①とあわせて整理されると良いと思います)。

手軽、管理しやすい、盗難リスクを抑えられるといった利点があり、デジタル利用は今後も増加の一途と思われますが、急な相続の際に家族が困らないような備えも必要です。