相続・事業承継あれこれ

2022.04.12

成年年齢の引き下げに伴う変更

令和441日より、成年年齢が20歳から18歳に下がります。
それに伴い、相続等に関する各取り扱いの適用対象者について一部変更があります。

  1. 相続時の遺産分割協議
    未成年者は、法律行為である遺産分割協議に参加できません。相続人に未成年者がいる場合、家庭裁判所で選任された特別代理人が、その未成年者に代わり遺産分割協議を進めます。
    令和4年4月1日以降発生の相続からは、18歳以上の者が遺産分割協議に参加できます。
  1. 相続税の未成年者控除(税負担増)
    法定相続人である未成年者については、相続税額から一定額が控除される「未成年者控除」の取り扱いが設けられています。変更に伴い、従前と比べ控除額は少なくなります。
    (参考:未成年者控除額の計算) 

 ★令和4年4月1日以降発生の相続から
未成年者控除額10万円×(18歳-相続時の年齢※) ※1年未満端数は切捨

  1. 贈与税率の特例(税負担減)
    18歳※以上の子や孫(直系卑属)が、祖父母や父母等から財産贈与を受けた場合、贈与財産額により(財産額が410万円超)、通常の税率より低い税率が適用されます。
    令和4年4月1日以降の贈与が適用対象です。
    ※その年の1月1日時点で18歳以上
  1. 相続時精算課税制度
    18歳※以上の子や孫(直系卑属)が、60歳以上の祖父母や父母等から財産贈与を受けた場合、一生涯累計2,500万円まで贈与税がかかりません。令和4年4月1日以降の贈与が適用対象です。なお、この制度を選択する際の注意点として下記があげられます。
    ・翌年以降は通常の暦年課税制度(年間110万円まで非課税)の使用ができないこと
    ・贈与者の死亡時に贈与財産が相続財産に含まれ相続税対象となること
    ※その年の1月1日時点で18歳以上

  1. その他
    令和4年4月1日以降、対象者が18歳以上に変更となる主な制度については下記の通りです。
      ・事業承継税制(贈与税)
      ・結婚子育て資金の一括贈与特例
      ・住宅取得等資金の贈与特例
      ・ジュニアNISAの口座開設(所得税)