相続・事業承継あれこれ

2022.02.10

亡くなった方の自宅空き家を売却した場合の特例~令和5年12月31日まで~

空き家の増加が社会問題となっている状況を踏まえ、相続に伴う自宅の空き家化を防ぐため、亡くなった方の自宅空き家を譲渡(売却)した場合には、税制上の特例が設けられています。
約3年半前に一度取り上げましたが、その後の改正内容も踏まえ再整理します。

  1. 自宅空き家を譲渡した場合の特例概要
    不動産を譲渡した際、譲渡益が発生する場合(譲渡額>取得価額+譲渡費用)には、原則として、譲渡所得税・住民税がかかります。
    ただし、相続に伴う、所定要件を満たす自宅空き家(マンションは適用外)を譲渡した場合、譲渡益から最大3,000万円が控除される特例が設けられています。特例適用となる相続から譲渡までの流れは下記イメージ図をご確認下さい(①~③のいずれか)。

   

     

  1. 要件と令和元年改正内容
    ・主な要件については弊社Information平成30年6月号参照(弊社ホームページにも掲載/arekore/2018/4057/
    【令和元年の改正点】
    ・適用期限が令和元年12月31日まで→令和5年12月31日までの譲渡に延長
    ・被相続人が要介護認定を受け、老人ホームに等に入所していた場合も、一定要件を満たせば対象となる(平成31年4月1日以降の譲渡から)
  1. 主な留意点
    【適用期限】
    相続日から3年を経過する年の12月31日までの譲渡が対象です。ただし、適用期限が令和5年12月31日までとされており、令和3年~5年に相続した方が適用を受けるためには(今後期限再延長がない限り)、令和5年12月31日までに譲渡する必要があります。
    【手続き】
    家屋所在地の市区町村で「被相続人居住用家屋等確認書」を取得し※、税務署へ提出する確定申告書にその確認書を添付します。
    ※取得にあたり、電気やガスの契約状況が分かる資料等、いくつか提出を求められる書類があるため、早めに準備・申請することをおすすめします。