相続・事業承継あれこれ

2018.11.09

相続時の配偶者への配慮~配偶者居住権が設けられます~

約40年ぶりとなる相続法改正案が7月に可決・成立しました。          
今月はそのうち、新たに設けられた「配偶者居住権」のポイントを整理します。

1.遺産分割で起こりうる問題 
 相続があった場合の遺産分割の目安となるのが、家族の状況に応じて決められている法定相続分(遺産の配分割合)です。家族間での合意があれば法定相続分通りに遺産を分ける必要はありませんが、一般的には、法定相続分を踏まえて遺産分割の方針を考えることが多いと思います。
その際、悩ましいのが、配偶者が相続する財産です。例えば下記事例のような場合、配偶者が法定相続分である2分の1相当の財産として自宅を相続すると、預金を相続することができず、「住む場所は確保できるものの、これからの生活費が不安」という問題が起こります。
 
2.新しい制度である配偶者居住権の活用 
 新しい相続法では、自宅の権利を「居住権」と「所有権」に分けることができます。
  
仮に、居住権と所有権の評価を2分の1ずつと仮定すると、下記のような分割ができ、配偶者は自宅に住むことができる権利(居住権)とあわせて預金も相続することができます。
  
3.今後の注目点
 施行時期は未定(2020年7月までに実施予定)であり、実務手続きが定まっていないものもあります。例えば、上記事例では、居住権と所有権の評価を仮に2分の1ずつとしていますが、現時点で評価方法は決まっていません。複数の評価案があり、今後整理される予定です。
また、居住権は将来の配偶者の相続時には評価がゼロになるという考え方があり、相続税対策としても使える可能性がありますが、税制の取り扱いも現時点では確定していません。
「相続法」と「相続税法」のいずれも、これから整備される取り扱いの内容が注目されます。
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