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ホーム > コラム > 『自然』 前田洋一

自然

 バンクーバーオリンピックのアルペン会場となったウィスラー・クリークサイドをさらに山頂に向かい2つのリフトを乗り継ぎ、真っ青な大きな氷の谷に立つ。カリブ海・太平洋の真ん中の海の底を漂う。南インドの海岸線に沈む太陽をカヌーに乗り眺めた。アンカレッジ空港付近の機上から見たオーロラ。マッターホルンと氷河を赤く染めスイスとイタリアの国境に沈む夕陽。思わず手を合わせる富士の頂から見た日の出。冬の晴れた朝に見たダイヤモンドダスト。オホーツクからの強風によって曲がりくねった樹木の間にたたずむ丹頂。沖縄付近の無人島に続く砂浜と青空。日本海を漂う蜃気楼。

 今まで見てきた美しい風景。考えてみると人工の造形物は全く見当たらない。そこにあるのは太陽・氷・水・雪・光・星そして圧倒的な色彩の美しさ。自然にはウソがない。私は自然が大好きだ。と言いたいのだが・・・

 

 妻は自他共に認める岡山一のパンキチだ。パン好きでNHKBSなどのテレビ番組に出演することもある。彼女はまた徘徊好きである。一年に何回かパン屋さん徘徊につきあわせていただく。北海道から沖縄までいろんなパン屋さんを訪ね店主とお話をさせていただいた。こだわりを持ち続けるパン屋さんには自然にこだわる人が多い。当たり前。本来、パンは小麦粉・塩・酵母と水から作られる。パンの味はほぼ自然が決める。石焼窯を持っているパン屋さんは特に田舎に多い。ひっそりと人目につかない場所にわざわざ店を開いている。マーケティングなどという言葉とは程遠い世界が存在する。

 

 広島のマツダの本社の近くに三代続くパン屋さんがある。三代目は北海道で山岳ガイドをしていた。自然が大好きで、パン屋を継ぐのが嫌でしょうがなくモンゴルなどを徘徊していたが、今では広島の繁華街に二店舗目を開くほど熱心にパンを焼いている。それでも、パン作りに迷ったら自然に帰りたくなるらしい。「今でもパンづくりに迷うと山に登る。山は街暮らしに慣れた僕を拒む。虫を気持ち悪く感じ、土の湿り気が肌に合わないが、一晩過ごすと自然の側に帰れる。ホッと優しく、ゆったりと、自然が包み込んでくれる安心感を覚える。そんな時、自分の焼いたパンを食べる。その場の雰囲気にしっくりとなじんだなら・・・。僕のパンは大丈夫だ。」

 

 三代目の言葉を100%理解できたわけではないが、何故だか感動し心が震えた。よくよく考えてみると私は、飛行機・登山列車・船舶等々あらゆる交通機関や酸素ボンベ・スキー板などの人間が発明した道具を使い美しい景色を見ることができた。虫など触るどころか見るのも大嫌い。そこには、自然との共生など微塵もなかったのだ。中途半端・・・。

 

 昨秋、釧路湿原でカヌーを漕いだ。ショップで一緒になった東京から来たOLと一日楽しく過ごした。彼女が私に尋ねた。「前田さんは自然が大好きなんですね?」とても恥ずかしいことだが、その時の私の頭の中には中央町のネオンの光が瞬いていた。まさに自然と真反対の光景。俗人。好きという言葉で中央町を思い浮かべる自分に立腹した。口ごもりながら答えた。「まあ好きなほうです・・・。」

 情けない気持ちになり、この時のやり取りを後から何度も考えた。でも、これが自然体。本当の無理のない自分。自然にドップリと、はまることに憧れながらも、どこかで違う楽しみを見つけている自分。楽に生きたいと思う。自然の流れにさからわず。

自然平成22年3月
前田 洋一

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